JONPFレター
AANP(American Association of Nurse Practitioner)
皆様、こんにちは。私は12年前に東京医療保健大学修士課程で高度実践看護師コースを修了した1期生の筑井菜々子と申します。今は診療看護師として地域医療振興協会内の様々な病院でGIM-NP(General Internal Medicine)として活動しております。この度、2020年にAANP(American Association of Nurse Practitioner)の日本のAmbassadorに選んで頂きました。Covid19のため延期になっておりましたNational Conferenceが2022年に行われることとなりFloridaのOrlandoで開催された学会に招待して頂き参加してまいりました。
私の他に8名のNPが選ばれ、ケニア、タンザニア、スリランカ、ブラジル、シンガポール、ガーナそしてスロバニアと国際色豊かなメンバーと一緒にConferenceに出席しました。どの国もNPに関してはまだ途上国であり、まさに今、NP制度の立ち上げのために奮闘しているメンバー達でした。なかには自国に1名しかいない本当に第1号のNPであったり、日本と同様にまだ法制化には届かず、どうしたら国家資格になるのか知恵を出し合っている国もありました。また、アメリカのNP制度を学びに来ている方もいました。皆、NPという職業に対して自国の責任を背負っている方々でした。彼らと一緒にNPについてDiscussionすることは、同じ志を持つ者ゆえにとても有意義な刺激的で素晴らしい時間でした。今回の参加で世界に横のつながりが出来たことは私にとって、とても大きな収穫でした。また、日本のNPをこのような国際的な場で紹介できることに感謝しつつ、自分たちが世界に追いつくためのスタートをすでに切っていることに勇気をもらいました。
今回素晴らしい学会に参加することが出来たのは、12年前、日本中のほとんどの人が知らないNPを始めていこうと考えた我が母校とその先導にたってくださった草間先生をはじめ、諸先生方、関係者の皆様、そしてこの制度に飛び込んで来た20名の級友達のお陰です。今、NPという、遣り甲斐のある仕事が出来ることに感謝の気持ちで一杯です。
米国の35万人のNP達の熱気、NPとしての誇り、貪欲に学ぶ姿勢、社会に与えている影響力などは想像以上に素晴らしいものでした。毎日行われるLectureは100近くあり、それが7日間続きます。殆どのLectureはNPによって行われます。内容もEBMをしっかりと取り入れた医学的な内容に+NPとしての患者さんを診ていく視点も組み込まれていました。質疑応答も途中で質問があればいつでも質問出来る雰囲気があり、参加者の学ぶ姿勢も実に積極的でした。朝と昼は企業がスポンサーになる豪華な食事付きのLectureがやはりNPによって行われ、米国においてはNPが経済的に力をもっていることを実感しました。夜はこの1年、臨床や、教育、また社会において、Impactを与えたNPの方々が50州から選ばれ表彰されたり、名誉なメンターの称号を受賞したNP皆様の表彰式が開催されたり(当校に講義にきて頂いたエクランド雅子さんが今年選ばれ表彰されました!)とあっという間に1日が過ぎていきます。1週間の学会ですが、ここで学び得たことを日本のNPの発展に少しでも貢献できるよう頑張りたいと思います。そして、今、日本中のいる700名近いNPの一人一人が皆、今自分達が出来ることのBestを尽くし、日本の医療に貢献していることに誇りを感じます。そして日本のNP達が諸外国からも認められ、世界に羽ばたく日はそう遠くない未来にあることを確信しております。
筑井菜々子
ヘルシーソサイエティ賞
社会医療法人北晨会 恵み野訪問看護ステーション「はあと」所長の樋口秋緒さんが、訪問看護における診療看護師(NP)の先駆者として、地域包括ケアの質向上に貢献したことが評価され、ヘルシー・ソサエティ賞を受賞しました。
*ヘルシー・ソサエティ賞は、 より明るい今日とより良い明日に向けて、 健全な社会と地域社会、そして国民のクオリティ・オブ・ライフの向上に 貢献した方々を称える目的で、公益社団法人日本看護協会とジョンソン・エンド・ジョンソン日本法人グループによって 2004年に創設されました。